ぜひ食べてほしい絶品バインカン
汁ものの麺料理は、都会の人々にいつも愛されています。フーティウ、中華麺、フォーなどは、おなかがすいたときに真っ先に選ばれる料理ですが、それに負けないくらい人気の料理があります。それが「バインカン」です。
バインカンにはとてもたくさんの種類があります。料理人の巧みな腕から生まれる、香り高くおいしい、味わい豊かな一杯は、思い浮かべるたびにいつも新鮮な味を届けてくれます。
カニのバインカン
今回のテーマでバインカンを取り上げるなら、最初に挙げるべきはやはりカニのバインカンです。バインカンを使った料理のなかで最もポピュラーな一品で、タピオカ粉のバインカン麺で作ります。1杯にはカニの身、豚肉、豚の血のゼリー、カニのすり身揚げ、きのこなど、見た目も味も満足の「トッピング」がたっぷり。好みで揚げパン(クァイ)を添えることもできます。

カニのバインカンは、ふつう汁の量がほどよく、食べても飽きがきません。カニの身の甘みがはっきり感じられ、とろりとしたスープを揚げパンにつけて食べるととてもおいしいです。これほど質の高い1杯でも値段は比較的安く、30,000ドンほどから、週末の夕食にぴったりのボリュームたっぷりの1杯が味わえます。
雷魚のバインカン
これも、愛すべきベトナム中部生まれの料理です。雷魚のバインカンの魅力には、きっと心をとろかされ、ノックアウトされてしまうでしょう。もちもちで香りの良い米粉のバインカン麺が、とろりとしたスープにひたり、そのまわりにはきつね色にカリッと揚げた雷魚の切り身がのっています。うずらの卵や、バナナの葉でていねいに包んだチャー(ハム)を添えれば、さらにおいしくなります。

この料理のおいしさを存分に味わうには、熱いうちに食べること。中部生まれの料理なので、南部の人は添えられる苦味のある野菜が苦手かもしれません。こしょうや唐辛子を少し加えると、魚と野菜の強い風味が和らぎます。卵とチャーを除いた雷魚のバインカン1杯は30,000ドンほどで、値段以上の価値があります。
甘いバインカン
メコンデルタ地方の人々が生み出した絶品料理で、とてもめずらしい味わいです。米粉のバインカン麺を、パームシュガーと新鮮なココナッツジュースで煮て作ります。ココナッツミルクと香ばしい炒りごまを添えて食べるこの料理は、子どものころの味。甘いバインカンの器の中に、青春の思い出がよみがえります。

甘いもの好きにはたまらない一品です。甘いものが苦手な人も、サトウキビの砂糖とは違う、パームシュガーのやさしい甘さを味わってみてください。メコンデルタではたった10,000ドンで売られているので、機会があればこのめずらしい料理をぜひ一度味わってみてください。
ワタリガニのバインカン
上で紹介したカニのバインカンの兄弟のような料理です。田んぼのカニのかわりに、ワタリガニを使います。ワタリガニのバインカンも、カニのバインカンと同じ具がそろっていて、カニをワタリガニに替えただけです。ワタリガニが丸ごと1杯入った魅力たっぷりの器で、食べるときはカニを割って、塩こしょうライムのたれにつけて味わいます。値段はカニのバインカンより少し高めで、1人前45,000ドンほどです。

サイゴンに来れば、ワタリガニのバインカンの店はたいていすぐに見つかります。一緒に味わって、なぜその店がいつも大勢のお客さんでにぎわっているのか確かめてみましょう。
ニラのバインカン
器いっぱいに広がるみずみずしい緑色が、フーイエン省生まれのこの料理の唯一にして最大の特徴です。

ベトナムの詩情あふれるこの地を訪れたら、地元の多くの人の成長とともにあった、誰もがとりこになるこの料理をぜひ「訪ねて」みてください。ニラの強い香りが、もちもちのバインカン麺と魚の甘みに溶けこみ、こしょうを少し加えれば、おいしさを最後の一滴まで堪能できます。
豚足のバインカン
きれいに処理された皮に包まれた、大きく身の締まった豚足がバインカンの器に入ると、器がとても小さく見えます。豚足にはすじの多い部分と赤身の多い部分の2種類があり、好みに合わせて選べます。

米粉のバインカン麺でも、タピオカ粉のバインカン麺でも作れます。見た目も魅力的ですが、値段はもっと魅力的。25,000ドンを出すだけで、夜中におなかがすく心配のない、体の温まる夕食になります。
ココナッツミルクのバインカン
これもメコンデルタで見逃せない料理です。ココナッツミルクのバインカンは、甘いバインカンと一緒に売られていることが多く、好みに合わせて選べます。


ココナッツミルクならではの白い色の器で、ココナッツミルクのコクに、米粉のバインカン麺のもちもち感、干しエビ、香りの良い雷魚の身が合わさります。スープにとろみがあるので飽きずに食べられます。この料理のすばらしさは、ココナッツミルクを寸分たがわぬ割合で合わせて、重たくならないように仕上げているところです。
チャンバンのバインカン
タイニン省に立ち寄る機会があれば、この愛すべき土地を離れる前に、ぜひチャンバンのバインカンを1杯味わってください。豚肉とバインカン麺で作るので、見た目はシンプルな1杯ですが、地元の人が生み出したほかにはないレシピで、一度食べたら忘れられない味わいです。

1杯わずか20,000ドンと、豚足の赤身部分を使った質の高い1杯としてはとても安く、皮やすじが少ないので、やわらかいのにほろほろと崩れすぎない食感です。この料理が届けてくれる上品で繊細な甘みは、この土地の食文化のいちばんの宝物です。
ナムフォーのバインカン

ナムフォーのバインカンを見てまず感じるのは、その赤い色です。ほかのバインカンのようにたくさんの肉は入っていないシンプルな1杯ですが、シンプルさの中に秘めた美しさがあります。情熱をこめた料理人の手でていねいに作られた、カニの身とエビでとるとろりとした赤いスープは、甘く香り高い味わい。パクチーを数本とこしょうを加えるだけで、ストレスの多い一日の仕事のあとの空腹を温かく満たしてくれます。

牛肉団子のバインカン
丸くて香りが良く、弾力のある牛肉団子を、甘みのあるおいしいスープで煮こんだのが、有名な牛肉団子のバインカンの見どころです。

ご存じのとおり、牛肉団子は指先より少し大きいくらいの団子ですが、最近では、より新鮮な味を楽しんでもらおうと、伝統的な牛肉団子の何倍も大きい団子を作る店も多くなりました。真っ白でやわらかく、もちもちのバインカン麺が巨大な牛肉団子を囲んでいて、見ているだけでよだれが出てきます。この牛肉団子のバインカンも値段以上の価値があり、30,000ドンほどで巨大な牛肉団子を味わえます。
魚のすり身揚げのバインカン
魚のすり身揚げのバインカンといえば、すぐに思い浮かぶのが、国内で最も美しい海辺の街ニャチャンです。どこまでも続く真っ白な砂浜がある詩情あふれる地で休暇を過ごすなら、観光で少し疲れた一日の終わりに、お店に立ち寄ってニャチャンの魚のすり身揚げのバインカンを1杯味わってみてください。

ていねいに作られた魚のすり身の切り身は、外はきつね色に揚がり、中はもっちりなめらか。魚のやさしい甘みと、料理人の見事な味つけが楽しめます。すり身にはサワラ、エソ、カジキなどがよく使われます。揚げエシャロットとこしょうを添えて食べると、いっそうおいしくなります。
Ng.D