アジア各国の新年の習慣、何が特別?
ベトナムの新年の習慣といえばテト・グエンダン(旧正月)が知られていますが、ラオスではブンピーマイを祝い、シンガポールではみかんを贈り合います。
ベトナムのほかにも、アジアには中国、韓国、モンゴルなど、旧正月に新年を迎える国がいくつかあります。国ごとに新年の迎え方には独自の文化がありますが、家族が集い、ともに新年を迎える一年で大切な行事だという点は共通しています。
ベトナムの新年の迎え方
ベトナムの旧正月は、一般にテト・グエンダン、または「大テト」と呼ばれます。とても大切にされている祝日で、ベトナム人は月の周期で暦を数えるため、旧暦1月1日に新年を迎えます。これはヨーロッパなどの新暦1月1日の正月より後になります。

また、ベトナムの旧暦の数え方は中国とは少し異なるため、テトが中国の春節と重ならないこともあります。ベトナムの人々は、たいてい旧暦12月23日ごろから29日にかけてテトの準備を始めます。
この期間、ベトナムの人々は12月23日にかまどの神(オンコン・オンタオ)を送る儀式を行い、伝統的なちまきバインチュンを包み、桃の花や黄梅(マイ)の花を買い、五果盆(5種類の果物の盛り合わせ)を飾り、祖先の墓参りをし、年越しの供養を行います。これらは家族みんなで一緒に行い、ベトナム人の団結と愛情を表しています。

大みそかの夜、家族全員が集まって年越しを迎え、花火を見ます。ベトナム人は大みそかの夜を旧年から新年へと星が移り変わる時と考え、過ぎた一年を振り返り、より実りある新年を目指して努力を誓います。テトが始まると、人々はこぞって寺へ初詣に行って縁起物の若枝を摘み、親戚の家を最初に訪れる「ソンダット」をし、新年のあいさつやお年玉を贈り合います。どれもベトナムならではの、意味深いテトの美しさを表しています。
中国の新年の習慣
中国の旧正月の祝い方も、ベトナムとよく似ています。一年で最も大切な祝日で、旧暦12月8日ごろから、中国各地の人々が帰省して家族と正月を過ごします。また、家族が一緒においしい料理を作って祖先に供え、さまざまなお祭りを楽しむ機会でもあります。

新年には、家に赤い対聯や赤い紙のちょうちんを飾り、花火を上げるのが中国の習慣で、楽しい正月と新年の幸運を願います。そのため、正月に中国を旅行すると、通りが赤一色に染まった楽しい雰囲気を味わえ、わくわくする体験ができます。

中国では毎年が干支の動物に当てはめられるため、その年の初めには、家族に幸運が訪れるよう、その動物の肉を食べるのを避けることが多いそうです。また、中国の正月料理には、上質なもち米に少量の生しょうがと砂糖を加えて作る年糕(ニェンガオ)が欠かせません。中国の正月は旧暦1月15日まで続き、その後人々は仕事に戻ります。
韓国の新年の習慣
韓国の伝統的な正月(ソルラル)は、たいてい新暦の1月末から2月初めにあたります。韓国の新年の習慣では、大みそかに家族で家を掃除します。年越し前の夜には、旧年の不運を洗い流して新年を迎えるため、熱いお湯で体をきれいに洗います。

また、大みそかの夜には、韓国の人々は家で竹を燃やして悪霊を追い払う習慣があります。竹が燃えるときの破裂音に悪霊が驚いて逃げ出すと言い伝えられているからです。特に大みそかの夜はとても大切で、誰も眠りません。昔の言い伝えでは、この夜に眠ると翌朝まゆげが白くなり、頭の働きが鈍くなるとされているからです。

元日を迎えると、みんな韓服(ハンボク)や一番いい服を着て、家族そろって祖先の祭祀を行います。その後、年少の者が年長の家族にお辞儀をして、育ててもらい教えてもらったことへの感謝を伝えます。
ベトナムと同様、韓国でも正月には子どもたちがとても大切にされます。子どもたちは年長者にお辞儀をして新年のあいさつをすると、お金や金銀、宝石などをもらいます。立派に成功し、社会の役に立つ人になってほしいという願いが込められています。
シンガポールの新年の習慣
シンガポールは人口の80%以上が華人なので、新年、つまり旧正月の習慣は基本的に中国とよく似ています。一年で最も盛大で、誰もが心待ちにしている祝日でもあります。
人々は数週間前から正月の準備を始め、新しい服を買ったり、家を飾りつけたりします。新年を迎えるうえで最も大切なのは、家族が集まって大みそかの夕食を食べることです。家でもレストランでも、魚は新年を迎える食卓に欠かせない料理です。年の初めに魚を食べると、新年に幸運が訪れると考えられているからです。

正月には、結婚している人が祖父母や両親、家の子どもたちにお年玉を贈る習慣があります。お年玉のほかにも、幸運を象徴する熟したみかんを贈り合います。また、正月に贈り合う贈り物はすべてペアでなければなりません。シンガポールの人々は、奇数は不運を招き、ペアのものは幸運をもたらすと信じているからです。
シンガポールの旧正月はふつう15日間続きますが、元日と2日目が最も大切です。家族で友人や親戚を訪ね、正月ならではの楽しい催しを楽しむ時です。
ラオスの新年の習慣
ラオスの新年は、一般にブンピーマイ(「手首に糸を結ぶ」祭り、または水をかけ合って雨を願い、命の芽吹きと繁栄を祈る「ホットナム」祭りとも呼ばれます)と呼ばれます。この時期、人々はラープ料理を特に大切にし、商売をしている人はなおさらです。ラオ語でラープは、新年における福や幸運、ラオスの人々の魂を意味するからです。特に正月には、新年により多くの福が訪れるよう願って、ラープを贈り合います。

ラープは通常、新鮮な牛肉や鶏肉を調味料と混ぜて作ります。独特の風味を出すため、炒った米を粉にしたカオクアを必ず合わせます。また、ラープは手間をかけてとびきりおいしく作らなければならず、そうでないと新年の商売がうまくいかないとたとえられます。
そのほか、ラオスの正月には、お年寄りにスカーフや布を贈る習慣もあります。昼間は寺へ行って新年の平安を祈り、夜には寺に集まって楽しんだり、伝統音楽の演奏を見たりします。
特徴的なのは、ラオスの人々が正月に幸運を願って花を使うことです。主に使うのはカッシアの花とチャンパー(プルメリア)の花の2種類。カッシアの花は幸運を願って家の中や車に飾り、チャンパーの花は房にして髪に挿し、祝福を祈ります。
アジア各国の新年の習慣にはそれぞれ違いがあります。しかし、どの国にも正月を迎える雰囲気、心、意味には共通点があります。遠く離れて暮らす人が家族のもとへ帰り、意味深い新年の食卓をともに囲む時なのです。
Hà.R(まとめ)